ざっくり電験解説ブログ

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電験の教科書が難しいので筆者なりに噛み砕いて理解した電験の知識をざっくりと公開してます。正確さより大筋の理解を優先しています。

水撃作用のざっくり解説

 

水力発電所の水撃作用について

そもそも水撃作用とは、別名ウォーターハンマーとも言う。つまり、水トンカチ🔨
水撃作用は常に発生するようなものでは無く、ある条件が整った時のみ作用する。
その操作とは弁、つまり水の出口の部分を急に開いたり閉じたりすることで発生する。
急に開いたり閉じたりする

突然水が流れ始めたり水が流れなくなったりする

管路内の水圧が大幅に変動することになる。


水圧を支える弁の気持ちになればわかる。君は今大量の水を止める蓋の役割をしている弁である。今、君だけでものすごい勢いで流れている川の水を止めてくれ、なんて言われたら・・・うん、死ぬよね。いきなり止めようとするとものすごい量の水の運動エネルギーを受け止めなきゃいけない。この受け止めた時に発生する衝撃、これが水撃作用ってやつである。

詳しい人向け解説:弁にかかっていた圧力エネルギーが開放によって運動エネルギーに急変換される、またはその逆の事である。
 
要するに:水のハンマーがプロペラとかを殴りつけてくるのが水撃作用である。危ないよね。

 

ではこの作用を避けるにはどのようにしなければならないのであろうか。
まず、水撃作用の原因である圧力変動自体、実際には避けることはできない。
ということは、どうやってうまくこの圧力変動を無理のないレベルまで下げるかというのが重要なわけである。

 

まず、対処法としてサージタンク使う方法がある。
サージタンクとは要するにクッションのことである。
水のハンマーが管内を通り、機器にぶつかる事で機器の破壊が起きうるのだから、その管内に分かれ道を作っておき、その分かれ道にハンマーの一部を分散させる。そうすると機器に流れてくる分のハンマーの力は軽減される、というわけである。
そんなわけでもちろんこのサージタンクは機器の手前に設置され、具体的には導水路(ただ水が流れているだけの場所)と水圧鉄路(圧力がかかる管)の間に設置するのである。

 


他にも水車側での対策も可能である。
衝動水車として有名なペルトン水車ではデフレクタを使用して、水流を反らしつつ、徐々にニードル弁を閉じる事で水撃作用を防止している。

 

 

Wikiより

ニードル弁
流量調整にはニードル弁が用いられる。 ニードル弁の先端部分(ニードルチップ)はキャビテーションによる壊食が発生しやすく、取り替え可能な構造としている。 また、各ノズルには水流を反らすためのデフレクタが備わっている。
デフレクタ
発電機の負荷が事故などにより遮断されてしまうと、負荷を失ったランナは回転数が急速に上昇する。その際は速やかにランナに入射する水流を遮断することが必要であるが、ニードル弁による急速な流水遮断は水撃作用を催し大事故につながるおそれがある。
したがって、負荷遮断時にはノズルの直前にデフレクタをせり出すことで水流を他方へと反らし、その後ニードル弁を徐々に閉じるようにしている。